■予選:7月22日/決勝:7月23日
■開催地:スポーツランドSUGO(宮城県)
■レース距離:300km(81周×3.7375km)

スペクタクルな一戦でミシュラン勢力走
S Road CRAFTSPORTS GT-Rが2位表彰台を獲得

不順な天候のもとで開催されたSUPER GT第4戦は、コースアウト車両の続出によりセーフティカーが3度も導入され、それによって展開が大きく動いた一戦となりました。その中でミシュランタイヤは、路面コンディションが不安定な中で高い競争力を安定的に発揮。ユーザーであるNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正)はレース終盤に激しい優勝争いを繰り広げたすえに2位表彰台を獲得し、ミシュランタイヤ装着車が開幕4戦連続で日産 GT-R NISMO GT500勢のベストリザルトを記録する結果となりました。また、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も表彰台圏内目前に迫る4位でフィニッシュし、ミシュランユーザーがそろって上位入賞を果たしました。

 

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前戦のオートポリス大会から2カ月近くのインターバルを挟んで迎えた今大会。ミシュランタイヤを使用する2台の日産 GT-Rは、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが36kg、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが16kgのハンディウェイトをそれぞれ搭載して臨みました。

 

公式予選は、セッションの前から雨がいくらか降り落ち、レースコントロールから「ウェット宣言」が出されてタイヤの使用制限がなくなった中で行われましたが、路面がウェットの状態になることはなく、全車がドライ用のスリックタイヤで出走しました。

 

今大会にミシュランはハイレースでパフォーマンスを安定的に発揮することを重視したタイヤを持ち込んでいました。その影響もあって2台のミシュランユーザーはそろって苦戦を強いられ、Q1(予選第1セッション)をロニー・クインタレッリが担当したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは14位、千代勝正がドライブしたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは15位に沈む結果となりました。

 

明くる決勝日の天候は非常に不安定なものでした。昼前にまとまった降雨があったもののやがて上がり、しかし決勝レースのスタートが迫ってきたところで再び雨が降ってきたのです。

こうした微妙なコンディションの中、GT500クラスの出走15台のうち4台がスリックタイヤを履いてレースをスタートするという判断をしました。一方、残る11台はウェット用タイヤを選択。その中には2台のミシュラン勢も含まれていましたが、レースが始まるとNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの両車は、それぞれのスタートドライバーを務めたクインタレッリと千代の巧みなドライビングもあって、最初の2周のうちに各自7つも順位を上げることに成功しました。

 

その後、雨脚が一時的に強まったところで3位走行中の車両がスピンを喫し、No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはひとつずつポジションアップ。ほどなくして今度は雨脚が弱まり、走行ライン上の路面がどんどん乾いていくことになりましたが、2台のミシュランタイヤ装着車は好調に走り続け、30周目には再び順位をひとつずつ上げて、No.23 GT-Rは5位、No.46 GT-Rは6位に。このレースの前半スティントにおいて両車がともに使用したのは「ドライング(Drying)」と呼ぶ、半乾きの路面コンディションにも対応するウェット用タイヤでしたが、これが非常に高いパフォーマンスを安定的に発揮し、ユーザー2台の躍進に大きく寄与しました。

 

81周のレースが折り返し点を迎える頃、トリッキーなコンディションのコースの傍らにはアクシデントによって戦列を離れた車両が点在する状況となっていました。そこで、これらの車両を安全に撤去するため、レースコントロールは41周目から今大会2度目となるセーフティカーを導入。規定によりピットロードへの進入はできない状態とされましたが、この影響を受けたのがちょうどピットストップを行おうとしていたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rでした。チームからドライバーの千代にコースに留まるよう無線指示がすかさず飛んだことでNo.46 GT-Rは無用なペナルティを受けずに済みましたが、ピットロードに向かって減速していた間にポジションを2つ落とさざるを得なかったという不運に見舞われました。

 

レースは46周目に入るところで再開されました。同時に5台のGT500車両がピットへとなだれ込みましたが、ピットロード上の混雑によるタイムロスを嫌ったNo.1 レクサスとNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの2台は2周遅らせて48周目にピットへ。No.46 GT-Rは千代から本山 哲に交替し、予選で使ったものと同じ仕様のミディアムのスリックタイヤを装着してコースに戻りました。

するとこのとき、2台のGT300車両が別個に、しかし同じようなタイミングでクラッシュを喫し、その処理のために今大会3度目となるセーフティカーが49周目から52周目にかけて導入されました。そのセーフティカーがコースから退去してレース再開となった53周目、まだルーティンのピットストップを行っていなかったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rを含むGT500クラスのトップ4台が一斉にピットへ向かいました。これにより、先にピットストップを済ませていたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは6位から2位へとジャンプアップすることに。そして先刻までトップ4を占めていた4台は首位No.1 レクサスと2位No.46 GT-Rに対して周回遅れになるという劇的な状況変化が生じました。

 

いずれにせよ優勝争いはNo.1 レクサスとNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの2台に絞られました。No.1 レクサスは、スティントの前半ではNo.46 GT-Rのペースをやや上回っていましたが、スティントの後半になりタイヤのパフォーマンスの形勢が逆転するとNo.46 GT-Rが猛然と反撃。特に残り周回数が10周を切ったあたりからは1周につき1秒近くも速いペースでギャップを切り詰めていき、残り5周を切ったあたりでライバルを完全に射程圏内に捉えました。

 

速さでは完全にNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rを駆る本山に分がある状況でしたが、No.1 レクサスをドライブする平手晃平は限られた抜きどころをしっかりと押さえて隙を見せません。それでも諦めない本山は、最終ラップの第1〜2コーナーで勝負に出ましたが果たせませんでした。強引にでもマシンの鼻先をNo.1 レクサスのインに突っ込めば抜くことができたかもしれませんが、本山は冷静に引いて余計なアクシデントを回避したのでした。しかし彼は依然として諦めておらず、その後もプッシュし続けました。

 

その先のコース後半区間では極めて局地的な雨が数周前から降っていました。すると、前を行くNo.1 レクサスがコーナーの立ち上がりでコース上にとどまり切れずオーバーラン。と思いきや、同じスピードで立ち上がったNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rも滑ってコースから車体の3分の2ほどを飛び出させました。2台はギリギリのところでコースに復帰すると、直後のコーナーにサイドbyサイドで進入。すると、そのコーナーの中でそろってスライドし、軽く接触。もつれ合うように立ち上がりました。そして、先に体勢を立て直すことができたNo.1 レクサスが先にフィニッシュラインを通過し、続いて約1秒後にNo.46 GT-Rがチェッカーを受けるという劇的な幕切れとなったのでした。

 

No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、優勝こそなりませんでしたが、クラス最後尾のグリッドからのスタートを余儀なくされながら2位に食い込むという稀に見るレースをやってのけました。同車にとってはもとより、日産 GT-R NISMO GT500勢としても、そしてミシュラン勢としても今季初となる表彰台を獲得。そしてまたしてもミシュランタイヤ装着車がGT-R勢の最上位でフィニッシュする結果となりました。

 

一方、3度目のセーフティカーラン明けの53周目にピットに入り、長く引っ張ったドライングタイヤからミディアムのスリックタイヤに交換し、クインタレッリから松田次生に交替したNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、そのピットストップの間に首位の車両に周回遅れとされた状態で戦線に復帰することになり、さらにその後は8位にまでポジションを落としました。しかし、ペースはとても良好で、60周目には6位、62周目にはNo.16 ホンダ NSX-GTをかわして5位へと再浮上していきました。

 

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのセカンドスティントを担当した松田はなおも追撃の手を緩めず、残り2周となったところの第1コーナーでNo.8 ホンダ NSX-GTを抜き去って4位に。それで終わりとせず、さらに前を行くNo.6 レクサス LC500に迫っていきました。そして最後の周回にはNo.6 レクサスの真後ろにつけましたが、かわすことはさすがに難しく、ライバルの背後に迫った状態でフィニッシュ。同車にとっては今季これまでのベストリザルトのタイ記録となる4位に入り、非常に難しいコンディションのもとで行われた一戦においてミシュランタイヤ装着車2台はそろって上位に入賞し地力の高さを示しました。

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント

「ドライコンディションで行われた予選についてですが、我々のタイヤを使用した2台が得たポジションは到底満足できるものではありません。ただ、GT500クラスの4台のGT-Rの中で、我々のタイヤを使用する2台は他社のタイヤを履く2台よりハンディウェイトを多く積んで今大会に出場しており、そのことを考慮すると今回の予選で示されたパフォーマンスはほぼ横並びだったのでないかと評価しています。
46号車(No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R)と23号車(No.23 MOTUL AUTECH GT-R)は予選で使ったものと同じ仕様のタイヤを決勝レースの後半スティントでも使用しましたが、スティントを通して見れば両車ともにライバルに対して互角以上のペースで走ることができていたと思います。また、前半スティントではドライングタイヤを使用しましたが、そのパフォーマンスと安定性の高さは明らかでした。
GT-R勢の最上位を我々のタイヤを装着した車両が占めることが今シーズンの各レースにおけるミシュランにとっての一番の目標ですが、それを今回も達成することができたので良かったです」