WECとは

レース専用設計のプロトタイプマシンと量産スポーツカーをベースにしたGTマシンの混走で行われる耐久レースの最高峰シリーズです。伝統のル・マン24時間や富士スピードウェイで開催される日本ラウンドもあり、出場車両の多くがミシュランタイヤを採用しています。

WECとは

WEC(FIA世界耐久選手権)は4つのクラスの車両が一斉に走行しながら各クラスの順位を争う形態で行われている世界最高峰の耐久レースシリーズです。出場各車は3名までのドライバーが交替で乗り込んでレースを戦います。

開催クラスは次の4つのクラスです。

プロトタイプカテゴリー

WEC プロトタイプカテゴリー レースカー

  • LMP1クラス
  • LMP2クラス

GTカテゴリー

WEC GTカテゴリー レースカー

  • LMGTE Proクラス
  • LMGTE Amクラス

各レースの総合優勝を争うのはハイブリッドのパワーユニットを持つマシンであるところがWECを特徴づけています。トップカテゴリーであるLMP1クラスに自動車メーカーが参戦する場合、内燃機関エンジンと電動モーターの双方を搭載するマシンを使用することが義務づけられているのです。

そんな自動車メーカーのワークスLMP1マシンがエンジンとモーターの双方を全力で働かせたときに発生させる出力は合計で約1000馬力に達します。それでいて各車の車重は900kg未満。そんなLMP1マシンが見せる全力加速はまさに爆発的と言えるものです。

WEC レース風景

ただし、使用することができる電力量には上限があり、コース全周にわたってモーターを働かせることはできません。そこで各チームは、コースのどの区間でどれだけモーターを作動させてそのアシストを得るのが最も効率的で最も速さに結びつけられるのかを厳密な計算から導き出します。そしてワークスのLMP1マシンに乗る各ドライバーは、チームから指示されるモーターの使い方を忠実に遂行しながら、他車との攻防もあるレーシングドライブを長時間にわたって行っているのです。

WEC レース風景

また、GTマシンで争われるクラスは2つありますが、上位クラスであるLMGTE Proクラスには様々な自動車メーカーのワークスチームが参戦しており、非常にレベルの高い競争が繰り広げられています。もうひとつのLMGTE Amクラスは、各車3名までのドライバーのうち2名はアマチュアレベルのドライバーでなければならず、使用するマシンはLMGTE Proクラスに出場する最新のワークスマシンより1年以上は古いものでなければならないことになっています。

WEC レース風景

このWECは自由なタイヤ競争が約束されているレースシリーズです。しかしながら、実際にはLMP1クラスに出場するすべてのワークスチームとLMGTEカテゴリーに出場する大半のチームがミシュランタイヤを選択して戦っています。

WEC タイヤ

2017年 WEC 開催スケジュール

Round 1
予選:4/15   決勝:4/16
シルバーストーン6時間(イギリス)
Round 2
予選:5/5   決勝:5/6
スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
Round 3
予選:6/15~16   決勝:6/17~18
ル・マン24時間(フランス)
Round 4
予選:7/15   決勝:7/16
ニュルブルクリンク6時間(ドイツ)
Round 5
予選:9/2   決勝:9/3
メキシコ6時間(メキシコ)
Round 6
予選:9/15   決勝:9/16
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間(アメリカ)
Round 7
予選:10/14   決勝:10/15
富士6時間(日本)
Round 8
予選:11/4   決勝:11/5
上海6時間(中国)
Round 9
予選:11/17   決勝:11/18
バーレーン6時間(バーレーン)

2017年 WECの見どころ

2017年のWECはル・マン24時間を含めた全9戦のシリーズとして開催され、LMP1、LMP2、LMGTE Pro、LMGTE Amの4クラス合計で28台のマシンがシリーズ参戦します。

トップカテゴリーのLMP1クラスに関しては、過去2シーズンにわたってドライバーとマニュファクチャラーの両選手権を制してきたポルシェに、2014年のチャンピオンメーカーであるトヨタが挑むという構図になります。どちらのチームも使用するタイヤにはミシュランを選択していますが、その使い方は各チームが採る戦略によって異なってくることになります。

GTマシンの上位クラスであるLMGTE Proクラスにおいてミシュランタイヤを使用するのは、GTカテゴリーにおけるフェラーリのワークスチーム的存在であるAFコルセ、昨年WECに初参戦しル・マン24時間を含む3戦で優勝を飾ったフォード・チップ・ガナッシ・チームUK、2年ぶりに同クラスでのワークス活動を行うポルシェGTチームの3チームです。

そして2017年のWECにおける極めて重要な事柄は、シリーズの大半を占める6時間レースにおけるドライコンディション用のスリックタイヤの使用可能本数が一気に3分の2に削減されたことです。もちろんそれはルールの変更によるものですが、どのクラスの車両も、20分間の予選セッションと6時間の決勝レースをわずか4セット(16本)のタイヤでこなさねばならなくなったのです。

一方、タイヤのサイズに関するルールに変わりはなく、ミシュランが2017年のWECにおいて供給するタイヤのサイズは次のとおりとなります。

LMP1クラス用 フロントタイヤ 31/71-18
リアタイヤ 31/71-18
LMGTE Pro/
LMGTE Amクラス用
フロントタイヤ 30/68-18
リアタイヤ 31/71-18

※ミシュランレーシングタイヤのサイズ表記は「タイヤ幅(cm)/タイヤ外径(cm)‐リム径(インチ)」
※ドライ用のスリックタイヤとウェット用のレインタイヤの双方のサイズに違いはありません

使える本数が6セットから4セットに削減されたということは、単純計算で1セットのタイヤは従来の1.5倍の距離の使用に耐えなければならないことになります。実際、従来はラップタイムとのトレードオフで選択する戦略のひとつであったダブルスティント(1セットのタイヤでの2スティント連続走行)が、今年はどのサーキットやどんな路面温度においても必須の用法に変わります。それでいてタイヤのサイズには変わりがないわけですが、ミシュランは高度で集中的な開発努力の結果として、従来と同等の速さを確保した性能を2017年のWECタイヤに与えています。

なお、LMP1クラス用にミシュランは、ドライコンディション用のスリックタイヤにはソフト、ミディアム、ハードの3種類、ウェットコンディション用のレインタイヤにはウェットとフルウェットの2種類を用意。また、完全なドライ路面から水たまりができているほどのウェットコンディションにも対応するインターミディエイトスリックタイヤ『ミシュラン ハイブリッド』もあります。シリーズの大半を占める6時間レースの場合、LMP1クラスの各チームはドライコンディション用のスリックタイヤに関しては3種類の中から2種類を当該レースで使用するタイヤとして事前に指定するルールになっています。

2017年WEC
ミシュラン・パートナーチーム
ラインアップ

LMP1クラス
Porsche LMP Team
No.1
N.ジャニ/A.ロッテラー/N.タンディ
ポルシェ 919ハイブリッド

No.2
T.ベルンハルト/B.ハートレー/E.バンバー
ポルシェ 919ハイブリッド
ByKolles Racing Team
No.4
O.ウェッブ/D.クライハマー/J.ロシター
ENSO CLM P1/01・日産
Toyota Gazoo Racing
No.7
M.コンウェイ/小林可夢偉/J.M.ロペス
トヨタ TS050ハイブリッド

No.8
S.ブエミ/A.デビッドソン/中嶋一貴
トヨタ TS050ハイブリッド
LMGTE Proクラス
AF Corse
No.51
J.カラード/A.ピエール・グイディ
フェラーリ 488 GTE

No.71
D.リゴン/S.バード
フェラーリ 488 GTE
Ford Chip Ganassi Team UK
No.66
S.ミュッケ/O.プラ/B.ジョンソン
フォード GT

No.67
A.プリオール/H.ティンクネル/L.F.デラニ
フォード GT
Porsche GT Team
No.91
R.リーツ/F.マコヴィッキィ
ポルシェ 911 RSR

No.92
M.クリステンセン/K.ウストル
ポルシェ 911 RSR
LMGTE Amクラス
Spirit of Race
No.54
T.フロール/F.カステラッキ フェラーリ
488 GTE
Clearwater Racing
No.61
W.S.モク/澤 圭太/M.グリフィン
フェラーリ 488 GTE