■予選:5月19日/決勝:5月20日
■開催地:鈴鹿サーキット(三重県)
■レース距離:300km(52周×5.807km)

最大ハンディで出場のMOTUL AUTECH GT-R
9台抜きを演じて6位でフィニッシュ

2018年SUPER GT第3戦鈴鹿は、GT500、GT300の両クラスともに多数の車両が従来のコースレコードを更新するレコードラッシュの一戦となりました。このレースにポイントリーダーとして臨んだミシュランユーザーのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、出場車両の中で最も重く課されたウェイトハンディが予選ではダイレクトに響くことになりましたが、決勝レースではドライバー、チーム、マシン、そしてタイヤの総合力によって目覚ましいポジションアップを遂げ、スタート位置から9つも順位を上げての6位に食い込みました。また、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲/千代勝正)も積極的なレース内容で今大会を戦い、7位でのフィニッシュを果たしました。

 

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2007年から昨年までのSUPER GT鈴鹿ラウンドはレース距離1000kmのイベントとして開催されてきましたが、今年は通常のSUPER GTシリーズ戦と同様の300kmレースとしての実施に。また、従来の8月から5月の開催に変わり、気温/路面温度の条件が大きく変わることになりました。

 

GT500クラスにエントリーしたミシュラン パートナーチームの2台ですが、ポイントリーダーとして今大会を迎えたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのウェイトハンディは出場車両の中で最も重い52kg。実際には、35kgのウェイト(重り)を実装し、さらに燃料流量リストリクターによってエンジンが使うことができる燃料の量が1ランク絞られてパワーに抑制をかけられた状態での出場でした。一方、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは10kgのウェイトを搭載して今大会に臨みました。

 

予選日である5月19日(土)の鈴鹿サーキットは晴天でしたが、絶えず強風が吹きつけるコンディションとなりました。その風の吹き方は、鈴鹿山脈から海に向かって吹き下ろすこのサーキットの典型的なものでしたが、それは東コースのS字区間や西コースの高速コーナー区間では車体とタイヤを路面に押し付けるダウンフォースを増やし、2本のストレートでは追い風となる効果がありました。そして、8月に行われていた昨年大会までより気温と路面温度が格段に低いコンディションのもとでの開催となったことにより、公式予選ではGT500クラス出場全15台が従来のコースレコードを更新することになりました。

 

この公式予選のQ1(予選第1セッション)において、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rのタイムアタックを担当した千代勝正は従来のコースレコードを1.056秒更新するタイムをマーク。52kgのハンディを抱えたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rも松田次生のドライブによって0.768秒も従来のコースレコードを上回る自己ベストを記録しました。しかし、そんなミシュラン勢以上にライバルたちはタイムを削り取ってきたことから、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは12位、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは15位という予選結果になりました。

 

決勝日の5月20日(日)も鈴鹿は晴天。前日の強風も収まって、レース観戦には絶好の日和となりました。ただし、鈴鹿サーキットの計時システムにトラブルが発生したことから、決勝レースはスタート時刻が当初の14時40分から15時20分へと40分後ろ倒しにされて開始されました。

 

No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのスタートドライバーは今回もロニー・クインタレッリが担当しました。優勝を飾った前戦富士でも素晴らしいスタートダッシュを見せたクインタレッリですが、彼のオープニングラップは今回も見事でした。どの車両もタイヤが温まり切らない状況下で、1周目から2台をパス、13位にポジションを上げます。その前を走るのは本山 哲が第1スティントを担当したNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。レース序盤は期せずして2台のミシュランタイヤ装着車がランデブー走行する形になりました。

 

やがてGT500クラスの各車は、同クラスのライバルたちと競り合いながら多数のGT300クラス車両を周回遅れとしていく段階を迎えました。そして9周目のヘアピンで、ペースの異なる複数の車両が折り重なるような状況が発生。そこに生じたわずかな隙を見逃さなかったのがNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリでした。大胆な動きに出た彼は一気に2台をかわして11位に浮上。対して、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは14位にポジションを下げました。

 

14周目、最後尾を走行していたNo.39 レクサス LC500が単独でスピンを喫し、コースを塞ぐ格好でストップ。同車を排除するためにセーフティカーが導入されました。そして、それが退去してレースが再開されたのは18周目。この時点で各車は52周のレースの3分の1をすでに消化しており、スタートドライバーの義務周回数はすでにこなした状況となっていました。そうしたことから、ここで5台の車両が早めのピットストップを選択。その中にはNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rも含まれていました。

 

前半スティントにおけるNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、ペース的には悪くないものの、前走車をかわすほどの速度差はなく、前に詰まって膠着した状態にありました。それを打開するためにレース戦略を変更し、早めのピットストップに討って出たのでした。NDDP RACING with B-MAXチームが行ったピットワークは速く、それに後押しされる格好で新たにNo.3 GT-Rに乗り込んだ千代が34周という長さとなる第2スティントに臨みました。

 

一方、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはレースがそろそろ折り返しを迎えようという25周目終了時にピットへ。GT500クラスの中では2番目に遅いタイミングでのピットインでした。クインタレッリから松田に交替し、そしてGT500クラスのすべての車両がピットストップを終えてポジションの入れ替えが落ち着いた時点で、No.23 GT-Rは6位につけることに。またしてもNISMOチームのピットワークの早さによってピットで大きくポジションアップを果たした格好でした。

 

その後、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは数秒先を行くNo.12 GT-Rを追いかける展開となりました。ウェイトハンディ10kgのライバルに対して52kgも抱えていたNo.23 GT-Rのハンディはさすがに大きく、終盤にはハンディ16kgのNo.36 レクサス LC500にも先行されることになりましたが、最終的にNo.23 GT-Rはスタート位置から9つものポジションアップを果たしての6位でフィニッシュ。松田次生/ロニー・クインタレッリのコンビは、今大会で2位に入りランキングトップに立ったNo.100 ホンダ NSX-GTの山本尚貴/ジェンソン・バトンにわずか1ポイント差のランキング2位につけるという形で難関の鈴鹿ラウンドを乗り切りました。

 

他方、18周目を終えたところで早めのピットストップを行ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、GT500クラスの全車がルーティンストップを終えた時点では9位にまでポジションを上げていました。その後、2台の上位車両にドライブスルーペナルティが課されたことにより、No.3 GT-Rは38周目以降、7位を走行しました。その後もマシンとタイヤをコントロールしながら攻め続け、No.3 GT-Rもスタート位置から5つポジションを上げ、7位でのフィニッシュを果たしました。

日本ミシュランタイヤ モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント

小田島広明
小田島広明

「今回の鈴鹿に我々は、23号車用と3号車用としてそれぞれ異なる2種類のスリックタイヤを持ち込みました。23号車にはミディアムとミディアムハードを用意し、実際には予選と決勝の前半/後半の両スティントのすべてにおいてミディアムハードを使用しました。一方、3号車にはミディアムハードとハードを用意し、予選ではミディアムハードを使い、決勝の前半スティントも自ずとそのタイヤで走りましたが、決勝の後半スティントでの3号車はハードにスイッチしました。
 23号車は、予選に関してはウェイトハンディの大きさが直接響くことになりましたが、これはある意味予想どおりでした。しかし、土曜の午前に行われた公式練習で23号車はウェイトハンディが格段に小さい他のGT-R勢に遜色ないパフォーマンスを見せており、これなら決勝レースでも良い走りが期待できると思いましたし、事実そうなりました。最後尾のグリッドからスタートして6位でフィニッシュしたという結果は上々のものと思いますし、ウェイトハンディの差を考慮すると、我々のタイヤはライバルメーカーのタイヤと同等以上に今大会でも機能したと考えます。
 3号車については、土曜午前の公式練習で良い位置につけていましたので、それが予選で再現できなかったところには検証の余地があります。決勝についても同様なところがありますが、それでも後方のスタート位置から大きく順位を上げ、3レース連続で貴重なシリーズポイントを獲得した、というところは良かったと思います」